貨車とは
貨車は、鉄道において貨物を輸送するための貨物列車に用いられる車両を指します。
貨物を積載する設備のある鉄道車両、構造と用途により有蓋貨車、タンク貨車、無蓋貨車、ホッパー貨車に分けられるます。
さらに冷蔵車、家畜車、長物車、石炭車など多種類に区別され、用途に応じた設備をもちます。
荷重表示記号
積載できる積荷の重さを表す記号です。
もとは、馬車用の馬を運ぶ有蓋車に馬(ムマ)のムをつけてワムとしていました。
その後の称号改正などで荷重表示記号をつけるときに、ワムとしていた車両の積荷が14t~16tだったことからムの記号をあて、他の重量は語呂のよいム・ラ・サ・キをあてたといわれています。
13t以下(記号なし)
14t~16t(記号:ム)
17t~19t(記号:ラ)
20t~24t(記号:サ)
25t以上(記号:キ)
重量の上限は、使用線区の許容軸重と橋梁などの許容重量負担力により決まります。
自動車輸送用貨車
最近の流通機構の変化に伴って、特殊な構造の物資別適合専用貨車が多く登場してきています。
代表的な例に自動車輸送用貨車があります。以前は長物車で輸送していましたが、自動車輸送用貨車は車や小型トラックを2段積みにして列車の長方に縦に積み走行し、積み卸しするものです。
積載された各自動車は緊定装置で固定されます。
自動車生産工場から各都市のディーラーに配送、または輸出のために港まで大量輸送する目的で使用されます。
アメリカの鉄道では3段積みが普通で、また輸送中に自動車が破損事故を生じないように有蓋貨車のスタイルになっているのが最近の特徴です。
所有者
国鉄貨車、JR貨車は、旧国鉄やJR貨物が所有している貨車のことをいいます。
汎用的な有蓋車、無蓋車、コンテナ車が多いです。
私有貨車は、石油メーカー、化学メーカー、セメントメーカーなどの荷主が所有して、旧国鉄やJR貨物に車籍を登録して委託して運用されています。
また私鉄に登録されることもありました。
荷主ごとの外観や構造のタンク車やホッパ車、大物車など、専用用途の車両がほとんどです。
社車は、1960年代までの鉄道貨物輸送の全盛期には、大部分の私鉄でも多数の主に有蓋車や無蓋車を所有していましたが、一定の基準を満たして旧国鉄に直通運用された車両を社車と呼びます。
社章を表示するとともに番号に幅13mmの下線2本が引かれて区別されました。
それ以外の私鉄所有の貨車は社線内専用です。
鉄道模型
貨車のNゲージ鉄道模型を主に国鉄時代の貨車を生産している河合商会の商品を紹介。
・ワム23000(ボデー新)
戦前から戦後にかけて製造された最もポピュラーな有がい貨車です。
【メーカー:河合商会】
スケール:Nゲージ
定価:1,400円
・ホキ8500 三菱鉱業セメント
35t積石灰石専用車を模型化、石原町駅(福岡)常備。
【メーカー:河合商会】
スケール:Nゲージ
定価:4,600円
・タキ43000(シルバー塗装)
1967年に製造された車両限界をいっぱいに使い、車体を短くし軽量化と積載量の増大を図ったタンク車です。
【メーカー:河合商会】
スケール:Nゲージ
定価:2,450円